安徽省の武王墩墓、椁室の発掘が進展 出土品3千超す
ソース:新華社作者: 2024-05-24 14:38
15日、武王墩墓出土の銅鼎(どうてい、左上・同下)と銅甗(どうげん、甗は煮炊器)。(組み合わせ写真、淮南=新華社配信)
中国国家文物局は18日、安徽省淮南市で見つかった戦国時代・楚国の武王墩(ぶおうとん)墓の発掘と文化財保護で重要な成果があったと発表した。ひつぎを納める椁室(かくしつ)の調査が進み、北側と西側の四つの側室の発掘を完了。これまでに各種遺物3千点(組)余りと大量の動植物遺物が出土した。現在は東側の1室と南側の2室を発掘しているという。
北側の第1、第2室は深刻な盗掘被害を受けていたものの、600点(組)余りの器物を採集。多くは琴と瑟(しつ、大型の琴)などの弦楽器で、他には青銅製の打楽器、編鐘(へんしょう)を吊るす架の横梁がほぼ完全な状態で見つかり、横梁の14個の穴は、これまでに盗掘品として取り戻した編鐘の数と一致した。南側の第1、第2室からは漆箱や耳杯(じはい、杯の一種)、盤(ばん、大皿)、豆(とう、高坏)、鼓、玉璧(ぎょくへき)、璜(こう、半円形の玉)、大量の銅製の矢などが出土した。西側の第1、第2室の出土品は主に漆塗りの木俑(もくよう、副葬品の人形)で、木車や楽器、少数の遣策(けんさく、副葬品の内容を記した札)類の竹簡(ちくかん)も見つかった。東側の1室は青銅器が中心で150点(組)余りが出土し、青銅礼器一式の保存状態も良好だった。
安徽省がこのほど開いた同墓の論証会で専門家は、出土遺物の形状、文様・図案、構成などに戦国末期の楚文化の特徴が見られると指摘。墓の規模や構造、出土した文字資料を文献史料に照らして分析した結果として、被葬者は「史記・楚世家」に記載のある楚の考烈王の可能性があるとの見方を示した。
15日、武王墩墓出土の銗鏤(こうろう、盛酒器)。(淮南=新華社配信)
15日、武王墩墓出土の銅簠(どうほ、簠は穀物を盛る祭器)の銘文。(淮南=新華社配信)
編集:董丽娜
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