三十五歳、紀元前五一七年、魯の昭公二十五年。魯の昭公が軍を率いて、昭公に反抗していた季孫・叔孫・孟孫の三家連合を攻めるが昭公軍は斉に敗走した。孔子は魯の内乱を理由に斉に行った。道中で泰山を通り過ぎた時、一人の女性に会った。彼女は泣きながら家族が虎に噛まれて死んだと訴えたが、依然としてこの地を離れたくないと言うと、孔子は「政は虎よりも猛なり」と思わず慨嘆した（『礼記』檀弓下）